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値上げが一方的に行われる場合、法的問題はありますか?

ここでは、値上げが一方的に行われるような場合の法的問題についてとりあげます。 商品の売買価格は、自由市場経済においては、当事者間の合意によって決められるものなので、値上げ交渉も原則として自由に行われるべきものです。 しかし、販売する会社と仕入れる会社の力関係が大きく異なる場合は、その限りではありません。 例えば、甲社は車いすを製造する社員数50人程度の中小企業であるところ、車いすを製造するためには特殊な性質のタイヤ用ゴムを仕入れる必要があるとします。 そして、その特殊なゴムを納入する乙社は国内の上場企業だとします。 ゴムの原材料が高騰したため、乙社がその価格上昇分を上乗せして甲社に値上げを通告した場合はどうでしょうか。

下請の値上げ拒否は下請法が禁じる買い叩きに該当しますか?

不当な値上げの拒否は、下請法が禁じる買い叩きに該当する場合があります。 値上げを拒否されたら~下請法と買い叩き 原材料費が高騰する昨今、これをなんとか価格に反映したいと考える下請業者も少なくありません。 もっとも、当然のことながら、元請業者との値上げ交渉は簡単にはいきま… また、これとは別に、こうした下請事業者の危機を救済する目的で、「下請中小企業振興法」という法律があるのをご存知ですしょうか。 この法律は、立場の弱い中小企業が大会社と様々な交渉をすることを支援する法律です。 そして、近時の原材料高や人件費上昇などによるコスト増加分について、下請企業が価格転嫁をこれまで以上にしやすくするように、近時、基準が改訂される予定です。 ここでは、この下請中小企業振興法について見ていきます。

仕入先が突然の値上げを拒否した理由は何ですか?

仕入先は取引開始以来、5年以上にわたってルール運用の誤りを見過ごしており、これに気付いて突然の値上げを通知してきたという事です。 仕入先のミスが原因であって、依頼者には何の落ち度もありませんでした。 依頼者においては、仕入先との取引による利益が全利益の7割~8割にも上っていました。 仕入先との取引で年間2000万円以上の利益がありましたが、仕入先による値上げによって、この利益がほとんどなくなるかもしれない可能性がありました。 依頼者にとっては死活問題でした。 以上を総合的に考慮すれば、突然の値上げを拒否し、一定期間は今まで通りの内容での取引を求めることは法的にも十分に可能であると判断しました。

仕入先からの値上げ通知を受けいれるべきですか?

そのため、基本契約書上は、仕入先からの値上げ通知を受けいれなければならないように思われます。 仕入先も正当な通知をしているとの認識であったため、依頼者が値上げについていくら話合いを希望しても聞く耳をもってくれない状態でした。 しかし、仮に契約書に規定があっても、一定期間、継続的に取引を続けている関係にあった場合は、過去の取引状況等、種々の事情によっては、突然の値上げを不当として拒否することができます。 そして、一定期間は今まで通りの取引を求めることができる場合があります。 そのため、まずは弁護士から今回の取引についての経緯を細かく聞き取りし、今まで通りの取引を求めることができるかを検討しました。 その結果、一方的な突然の値上げについては反論の余地があると判断して仕入先との交渉を行いました。

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